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corda:火原と柚木

  君が関われば、下らない出来事さえ色を変える よ。 


  昼頃から小雨が降りだしたこともあって、放課後は大抵外で練習している火原を練習室に誘った。屋上や正門前などとは違い、二人で練習室を使うことはあまりないものだから、それなりに楽しみにしていたのだけど、二人で肩を並べて練習室へ向かう途中、急に生徒会の奴に相談したいことがあると呼び止められてしまった。
  断ろうと思えば、いくらでも断る口実はあったのだが、色々なことを考慮した場合、それが得策とは思えなかった。柚木の名が重いことを実感するのは、こんな時だ。やんわりと身を引こうとしても、鈍いこいつは気づかないだろう。

  今にも溜息を吐いてしまいそうな口元に力を入れて、ちら、と火原を見やれば、何ともいえない表情を浮かべていて、内心で驚いた。
  そういえば先日『最近色々忙しそうだね。疲れてるんじゃない?』などと、心配されたばかりだった。今もきっと、それを気にしているんだろう。
  それでもう、心は決まったようなものだった。

「僕で良ければ、力になるよ」

  ――なんて。
  笑顔さえ浮かべて、心にもないことを言えたのは、まぎれもなく隣に火原がいたからだ。
「柚木、」
「ごめんね。火原は先に行って、練習始めておいて」
  小さく呼ばれた名に続く言葉を遮った。言葉で、浮かべた笑顔で。
  こう見えて火原は、何にでも踏み込んでくるようなまねはしない。俺の決めたことに対して、軽々しく割ってはいるような奴ではなかった。それを、俺はよく知っている。

  案の定、火原はらしくなく苦い溜息を吐いて、ぽん、と肩を叩いた。
「……わかった。待ってるからね」
「ああ」
  軽く手を振って、遠ざかる背中を眺めていると、すぐ傍で謝罪の言葉が聞こえた。
  すみません、と言うぐらいならば、端から相談事など持ちかけてくるなと思わないでもなかったが、それはおくびにも出さずに、気にしないで、と微笑んでみせる。
  火原には悪いと思うけれど、心配されるというのは、存外に嬉しいものだった。
(わるく、ない)
  ふ、と湧き上がってきた、先程までとは種類の違う笑みを浮かべて、目の前で突っ立っている奴を、早々に促す。
  面倒なことは、さっさと片付けてしまうに限る。


  そして、一秒でも早く、火原の顔が見たいと思った。


僕にとって
(ふ、と君の特別さに気がつく)


3B友情について頑張って考えてみました!×じゃないよ!あくまでちょっと濃い友情だよ!笑 恋愛感情には、今回自重してもらいました。でも、そのように見えてたらごめんなさい(…)何か火柚を書きすぎて感覚がマヒしてるかもしれません。でも、濃すぎる友情っていいよね!(*´∀`*)ずっと書きたかったんですが、火柚が好きすぎというか、私の脳内で火←柚がデフォすぎて難しいんですよ ね。でも火柚ではなくあくまで3Bな話も、もりもり書きたい気持ちだけはある。火日前提だったら、書きやすいのかもなあ。うーん。

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