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seed:シン*ルナマリア

  一緒が、いい。

「どこ行くの」

  シンが上着を羽織ったところで、ルナマリアから声がかかった。
  その声を追うように、ぐるりと首を巡らせれば、彼女はソファに座ったまま、どころか目線もテレビに釘付けの状態で、答えを欲しているらしかった。
  やれやれと頭をかきながら、ちょっとそこまで、とシンが言えば、そ、と言葉通りのそっけない声が返ってくる。自分で訊いてきた割には、随分と反応が悪い。

「あ、ルナも行く?」
  行かない。というルナマリアの返事を想定して、だよな、という言葉を舌の上にまで準備していたのだけど。
「……行く」
  思いがけない了承をもらい、シンは驚いた。だよな、というはずだった言葉の“だ”の口で止まる。

  ピ、とテレビが消えた音がして我に返ると、ソファから立ち上がったルナマリアが、傍にあった上着を手に取り、早速着込んでいるところだった。
  準備のいいことに、マフラーまで装備済みだ。
  漸く、現状を理解したシンは耐え切れず、ぶはっと吹き出した。

「なによ」
  じろりと下から見上げてくるルナマリアの眼力もなんのその。ゆるーくかわしたシンは、彼女の頭をわしゃわしゃとかきまぜて、楽しげに笑った。
「かわいいな、ルナ」
  髪を乱されたことを怒るはずだったルナマリアの顔は、一瞬で赤く染まり、行き場のない思いはシンの脛を思い切り蹴ることによって、発散される。
「いってぇ!!」
  痛みに悶絶する塊の横を通り抜け、さっさと玄関へ向かう足音が響いた。

「置いてくわよ、馬鹿シン!」
「ま、待てよルナ!」

  じんとした痺れの残る足で踏み出し、後を追ったシンは、玄関先で、つんと唇を尖らせているルナマリアを発見して、また性懲りもなく可愛いと笑うのだった。


ひとりより、ふたり
(置いてなんて行きませんとも)


いつもと書き方変えてみたんですが難しいですね。むむむ。最近(?)この二人を書くと、どうも暗くなりがちだったので、たまには軽い話をば。ルナを可愛いと思ってるシンはとても可愛いと思います^▽^ シンルナはやっぱいいな!お互いに甘えつつ甘やかす関係がすごい好きだ。守り守られといい、想い合ってる感じがします。

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