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好きなものを、好きなように、好きなだけ
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おお振り:島崎*利央

  この、曖昧な関係を終わらせて。

  他愛のない話の途中。おもむろに真剣な表情をつくってみせると、ぺらぺらと流暢に喋っていた利央が、静かに口を閉じた。
    日頃から空気が読めていないように見えて、その実利央は良く周りを見ているのだと思う。とはいえ、こちらを恐る恐る伺い、居心地悪そうに身じろぎをする様子の方が、ずっと“らしく”はあったのだけど。
  ふ、と零しそうになる笑みをどうにか堪え、真顔を貫く。折角作った機会を、自ら壊すような真似はしない。

「慎吾サン?」
  利央の声には敢えて答えず、淡い瞳をじっと見つめる。
  そして、眉や頬、唇の動きの一つ一つ、浮かんだ表情の色まで逃すまいと神経を研ぎ澄ませてから、そっと口を開いた。

「好きだ」

  言葉を認識した途端、持ち上げられる瞼。長い睫毛が上を向き、こちらにまで音が聞こえてきそうなほど瞬くと、まるい瞳が呆然と俺の姿を映した。それらは、どれも想定していた範囲内のものだ。
  俺が知りたいのは……その後。
  凝らした瞳が映すのは、安堵か、怒りか、戸惑いか――考えただけで、どうにかなりそうな自分を引っ張り上げ、口角を持ち上げる。
(希望を持つのは、まだ早い)
  唇を舌で湿らせて、用意していた言葉を、放つ。

「なぁんてな」

  利央の顔は、わかりやすく色を変えた。
  俺は一体、どんな表情を望み、期待していたのかも忘れて、自嘲に染まる唇を彼の震える唇に押し付ける。
  奪った吐息は、甘ささえ感じた。
  焦がれ続けたその唇に溺れてしまいそうになる弱い心を叱咤して、自ら離れると、胸の辺りでよどんだ空気の塊を吐き出す。

  利央から齎される拒絶が恐ろしかったのかもしれない。どこまでも、臆病者だ。
  それを誤魔化すように、まだ利央のぬくもりが残る唇で笑ってみせると、ずるい、といつも言われ慣れていた言葉の意味が、よくわかる気がした。
  確かに俺は、ずるいのだろう。

  でも――もう、限界だった。


「好き。だけじゃ、もう足りねぇよ」


  じわり、じわり、と利央の目が潤んでいく。
  泣き虫、と胸中だけで呟くと、ぼろりと音がしそうなほど大きな涙の粒が零れていった。
  果たして、俺にそれを拭う資格があるだろうか、と。そう、思案したとて、結局手を伸ばさずにはいられないのだ。


  この愛しい子に触れるのは、自分だけでありたい。
  ずっと、そう思っている。



どうぞ、ゆるして
( 誰にも渡したくない その俺の気持ちこそくみとって )




まだまだ島利が好きです。見かけなくなってもきっと好きです。奔放な利央に振り回されてる慎吾さんが好きです。でも、ずるい慎吾さんに振り回されてる利央だって大好きです。どっちにもなれる、この二人はぶつかりあうイメージがあんまりない。片方の何らかのアクションに対して、もう片方に受け入れる準備があるというかなんというか。うまくいえない^H^とりあえず二人がすきです!もっと絡め!。゚(゚^▽^゚)゚。

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