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corda : 土浦*冬海 (何か未来っぽい)

  “  いつか ” を  想う。


  何の前触れもなく、白い腕を引き、華奢な身体を腕の中におさめる。
  たったそれだけで、可哀想になるぐらい身体を震わせた彼女は、もういない。顔だけでなく、首も、耳も、身体中赤くした彼女は――もう。

  きょとん、と今の状況を把握し損ねた目で見上げられ、それを見つめ返す。まるい目は少しの間、心配そうにこちらを伺っていたが、俺の感情をうまく汲み取ると、ふわりと柔らかな笑みを浮かべて身体をあずけてきた。
  これでは、ついつい口元が緩んでしまうのも仕方のないことだろう。

  不意に思い出したあの頃の彼女も、確かに可愛らしく愛しかったのは事実だけれど、それを懐かしく思いはしても、残念に思うことはない。
  あの頃の“冬海”も、確かに俺のものだったからだ。どう触れていいかもわからず、戸惑い、ぎこちなく手を伸ばしては不器用に想っていた あの頃の――俺の。

  こんなことを思っていることが知れたら、彼女はなんて思うだろう。
  く、と咽喉の奥で笑みを噛みころすと、抱きしめる腕の力をほんの少し強めた。彼女の纏う優しい香りが、甘く、鼻腔をくすぐる。そして、躊躇いなく俺の背中へたどり着いた手は、どうしようもないほどの愛しさを運んでくるのだ。

  当たり前になることの尊さを、改めて実感し、噛み締める。
  この腕の中、驚きや怯えといった類の感情を感じなくなったのは、いつからだっただろう。
  そんなこと、覚えていないぐらいには、彼女と共に時を経た。

「笙子」
「……はい」

  だけど、この心は驚くほど欲張りで我儘だ。
  やんわりと細められた瞳に、映るのは俺だけでいい、なんて。
  この下らない嫉妬心も、いつか懐かしく思える日が来るのだろうか。

  まだまだ先は長いなと考えて、その長い先でも、容易に嫉妬を剥きだしにする自分が想像できて、その幸せなばかばかしさに笑っ た。



いつか
( 過去も現在も未来も 君で埋まる日 を )



ひっさびさの土冬です^o^唐突に浮かんだのをつらつらと。土冬自体はすごく好きなんですが、自分ではなかなか書けないので、なんか嬉しいです^V^内容はともかく。せっかくの未来設定^H^なので、冬海ちゃんに土浦の名前呼ばせたいなと思ったんですが、なんて呼んでるか土冬好きーさんごとで違う気がしたので、なしで\(^o^)/本当なんて呼ぶんだろう^^先輩呼びが抜けなかったりするのかな。それとも梁太郎さんとか言っちゃうのかな^o^ひょー!

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