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D.G : ラビ*リナリー

   問いかける。
   望む答えが導き出されるまで、何度も、何度も。
   何度で も、


   なぜ、手を伸ばしてしまったんだろう。
   非常時でも何でもない、この瞬間。穏やかな時間の流れを塞き止めるように、君へ触れてしまった指先。自分の無意識の行動に戸惑い、弾かれるように手を離しはしたが、遅すぎる。
   君に触れた事実は、なくなってはくれない。

「ラビ?」
   不思議そうな瞳で見つめられ、咽喉が渇く。言葉が枯れてゆく。
   いつもなら、もう少しマシな対応が出来たはずなのに、それが出来ず、目が泳ぐ。頭がまわらない。君を、見れない。
「……ごめん」
   顔ごと逸らし、リナリーの姿を視界から遮断した。
   そうして蘇ってくる君の温度を感じとってしまえば、まっとうな言い訳さえ、もう浮かんではこなかった。
「ごめん」
   もう一度、ラビという名を呼ぶ声がしたけれど、なかったことにした。気を抜いたら、この唇から本心が零れてしまいそうで怖かったのだ。
「ごめん、リナリー」
   全て、なかったことにして、くれないか。
   今の出来事も、君の中の俺の記憶も、存在も、それこそ、すべてを。


   ああ、どうして。
   俺は――君を好きになんか、なってしまったん だ。


触れた先に求めたものは
(優しさでも、同調でもなく、)

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